小長野さん(トメアス)IN マニコレ !

昨年も少し紹介した、世界で注目されるトメアス式アグロフォレストリー。


その発展に大きく寄与され、私達のプロジェクトにも10年前より関わって頂いている小長野さん(CAMTA:トメアス総合農業協働組合元理事、元トメアス市農業局長)が研修講師としてマニコレを訪れて下さいました!


マニコレはトメアスより暑い。乾季の今、昼間の暑さといったら尋常じゃない。慣れてるはずの農家さんが先に暑さにへばるくらい灼熱の中、剪定の実演で鋏をふるいながら何時間も熱心に指導を続けてくださいました。


宿泊したホテルで出会う人々や空港スタッフなど、仕事外でも至る所で、農業のアドバイスを求める皆にアグロフォレストリーや農業技術、生活を潤す新しい農業のあり方etc.を惜しみなく説いて回ってもくださいました。皆、初め目を丸くし、最後には目をキラキラさせて聞いてました。


10年近く前、マニコレから農家さん達がトメアスを訪れ、小長野さんの農地で研修を受けた農家さん達は語ります。


“農業の概念がすっかり変わった”


“農業を辞めたくなったこともあるけど、ミチノリとの約束があるのでやめなかった。”

(彼はその時にミチノリさんから胡椒の種をもらい、今年初めて販売でき、収入源が増えました!この辺りではなく誰の生産していないので、非常に高価に売れたのこと)


“2014年の洪水で作物を全部失って、収入も食べ物も無くなり、子ども達が飢えてるのを見るのが本当に辛かった。そんな時、ミチノリの『どんなに大変な時でも、植え続ければいつか報われる』という言葉を思い出していた”

(彼の長女は、すくすく育ち今年から大学のコースに通っています)


小長野さんは、ご自身も貧農として、現代の日本人の私たちには想像もできないような苦労と努力の末に、

今の技術や経験を手に入れた方。途中、膨大な失敗も辛いこともあっとそうです。

”僕が失敗から学んだことを教えてあげれば、他の農家さんは僕が失敗して失った時間を失わなくてすむでしょ?”と。

個人的に以前トメアスで2週間お世話になったのですが、農家さんを指導する姿を目の当たりにして、小長野さんの農家さんに対する本気さを改めて感じました。


“作物を植えて、技術を教えて、収入を向上させる“ 。


言葉で言うのは簡単だけど、現実には何百年の支配の構造、そこから派生する社会文化や人々の性質、ブラジルというダイナミックな国のマクロの政治的背景に加えて、ミクロのレベルでも非常に強い政治の力が働いてたり、独特の人間関係があったり、それはもう複雑なのです。


最近は、現場を知らない大学で勉強だけしてきた農業技術者も多いみたいですが、

農家さんに技術を伝えて、農家さんになりに咀嚼して定着させるのは、知識だけの人にはなかなか出来ない。また、手強い各種地元組織を巻き込んで進めていかなければなりません。


小長野さんは、どこに指導に行かれるときもその土地の歴史や文化を遡って勉強して行かれるとのこと。

農業技術に加えて、マネジメントも組織化も、手強い政治家の扱いも、農家さんのモチベーションの上げ方も、実際に身をもって全て経験したからこその重みがあります。


だからこそ、10年経っても彼の言葉を支えに頑張り続けられる農家さんが生まれるのでしょう。


10年前、”苗を育うてる” “木を植える”という概念すらなかった農家さん達が、洪水で全滅という悲劇さえも乗り越え、


”洪水で全部失った時、多くの人が泣き暮れてこの村を出て行った。僕もすごく悲しかったけど、僕は知識を学んだから、もう一度作物達を取り返せることを知っている。だから僕は希望を捨てない”


と、語ります。彼は学ぶ喜びを覚え、45歳で高校を卒業しました。(彼の親は自分の名前も書けません)


日系人移民の方々が人生をかけて作り上げてきたアマゾンにおけるアグロフォレストリーや、豊かになった農家が次世代へと希望をつないでいく術が、少しずつアマゾン奥地のヒベリーニョ達に伝わっていくのは、イチ日本人としても感慨深いものがあります。農家さんと共に、私も小長野さんから根気とエネルギー、情熱を学び続けていきたいなぁ、しみじみ思いました。







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