カカオ発酵探求の旅


世界的なカカオ/コーヒー発酵の第一人者であるRosane Schwan教授を招き、マナウスのチョコレート工房スタッフや日本人スタッフ、現地スタッフ勢揃いで農家さんチに泊まり込みの、カカオ発酵探求の旅を終えました。

誰も発酵をしたことがなかったアマゾン野生種カカオ。この3年間、経験すればするほど、山ほど湧いてきていた疑問の多くに、道筋が示されて、非常に実りのある旅となりました。


質のよい発酵は、とても手間のかかる仕事です。覚えなければいけないこと、気をつけなければいけないことがたくさんあります。温度の記録もつけなければなりません。慣れない作業にも関わらず、農家さん達が、家族も含め、非常に熱心に話を聞き、一生懸命理解しようとしてくれてる姿が印象的でした。


話を聞くだけだとシンプルに聞こえますが、実際やってみると、1つ1つの作業は結構な重労働で、手間がかかります。

私達は世界的にも最も高水準の価格帯で買取をしていますが、それでももっと高い値段をつけてあげられたら、、と感じています。(世界的に農家達が受け取る額が、仕事量/重要度に見合わないことが世界の食システムの問題の根幹だなぁ、と個人的に思います。)


そんな一方、今年は記録的にカカオが不作な上に、記録的に川の水位が上がり、泊まり込んでいた農家でも乾燥台や発酵箱のギリギリまで水が上がってきてます。カカオの木もすっかり水に浸かってしまった。野生種カカオは非常に背が高いことが多く、カヌーで収穫するには危険も大きく、水が引くまで収穫できません。


それでも『発酵したいから、水が引くまで待って』という農家さんがいます。


リサーチの一環で聞いている質問があります。

“機会があれば、町で暮らしたいですか?” “機会があれば、農業を辞めて他の仕事をしたいですか?”


今回インタビューした農家さんは、全員、

“Não (いいえ)。ここがいい。“ ”Não (いいえ)。作物を育てたい“

と答えていました。


2014年に歴史的大洪水で全てを失い、せっかく立ち直って、希望を取り戻してたところでまた2000本のバナナを失う。4年待って、あと少しで実がなるハズのアサイーが目の前で死んでいくのを見ていくしかない。自然は、全ての恵みである一方で、残酷なまでに厳しい。


それでも、 「自然のなすことだから」 「だからといって、ここから出ていきたいと思わない」

という農家さん達。


上流の町にダムが出来てから、洪水の頻度が増えたといいます。


街に電力を供給する裏側で、生業を失いながら、それでも自然と共に生きて生きたいという人々。

アマゾンにいると、いつも人間の営みについて、考えさせられます。


日本国際協力財団および地球環境基金様から助成を頂き実施していた、アマゾンカカオの高付加価化と気候変動対応能力向上のプロジェクトは、数々の困難に面したものの、3月末で無事成果をもって終えることが出来ました。一方、この2年でそのニーズの高さを改めて実感しました。


さらに発展したプロジェクトのため、今後も力をつけていきたい次第です。引き続き、何卒宜しくお願いいたします。







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